雖然知道但無法停止
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【新企画】栄光なき名作たち(第1回)
光あるところに影がある
まことベストセラーの影に数知れぬ雑書の姿があった
命をかけて歴史をつくった影の雑書たち
だが人よ 名を問うなかれ
闇に産まれ 闇に消える それが雑書の定めなのだ


ということで、数多ある忘れ去られた(?)雑書の中から個人的に名作と思うものを我が家の蔵書の中から不定期にご紹介していきます。

まず、記念すべき第1回は
坂東 義教 著『坂東先生の教育講座』(テレビ朝日・1978年)と
坂東 義教 著『続 坂東先生の教育講座』(テレビ朝日・1979年)をとりあげます。
 

今では考えられないことですが、「テレビ朝日」は教育専門局の「NETテレビ(日本教育テレビ)」として1959年に開局しました。免許交付の条件が教育番組を50%以上、教養番組を30%以上放送することだったせいか、なんと朝8:30~9:30のワイドショー(溝口泰男モーニングショー)に教育論のコーナーがありました。ワイドショーですから当然「ライブ」の講演です。つまり、当時のお母さん達は毎週月曜日、朝ご飯の片付けをしながら子育ての勉強をしていたわけです。

で、なぜか当時小学生の私もこの番組をよく見ていた記憶があります。曜日・時間を考えれば夏休みくらいしか見れないはずですが、坂東先生の津軽訛りは未だに耳に残っています。それぞれの本の半分ほどが講演録の形(残りは雑誌に発表した論文)になっており、読み返すと坂東先生がしゃべっている姿が思い出されます。

四半世紀前の本ですが今読み返しても内容は全く古びていません。振り返って、今、教育に携わる人間がこういった啓蒙活動をどれほどしているのか(組合活動はしていますが・笑)を考えるとぞっとします。



印象的な講演をいくつか引用してみます。

(愛情について)
 反射の鏡といいますのは、お父さんのゆった言葉とおんなじ言葉をゆって、お父さんの疲れたなあっていう、そういう顔つきも同じになって。ね。それでおんなじ気持ちになってやるのが、本当に理解がある奥さん。そうすれば「おまえはやさしいなあ」って。
「あらー、お父さんくたびれたんでしょ、あらあ、くたびれたんですの」って言えば、「なんでもない、なんでもない。なあに、もう一回会社行ってくるか……」って(笑)なんぼでも働いてくれるわけ。それを奥さんがね、「昼から出かけて行ったでしょ、このなめこの!」なあんて言うから、「おれ行くのやーめた、もう。えい、こんちくしょう。なんだ!」
 わたしの家内を見ててもね、わたしが「くたびれたなあ」って言った時に「あらあ、お父さん可哀想」と言う時は愛情のある時。だけども「くたびれた、くたびれたって、なにもしないでくたびれるのをなまけ者というのよ」なんて言われれば、「なに!こんちくしょ」ってね。
 だから、情を受け入れてやることはとっても大事なことですね。甘やかせとは言ってませんよ、一言も……。お父さんが「飲みたいなあ、ああ、飲みたいな」って言った時に、ね、奥さん、「飲みたいな」って、旦那さんがそう思ってるんですから、「あらあ、飲みたいんですの、お父さん飲みたいんですの」って、鏡で反射させてやる。やるだけで飲ませねえばいいんだから。(笑)
(『坂東先生の教育講座』P.16)

(幸福について)
 金ない、金ないっていうけど、奥さん、わたしは五億円持ってますよ。(笑)いや、十億円も持ってるかな?なぜかっていいますとね、それ、ちょっと証明してみますとね、わたし函館で、母さん方の社会学級に行ったの。そこの校長先生の部屋へ行って、アッと驚くタメゴローだ。(笑)この間まで校長先生の右手あったのに、見たらないんだから。
「あれーェ、校長先生、右手どうしたの?」って言ったら、切ったって言うんだよ。もっとも切ったから、ねえんだもんね。(笑)函館で一番か二番に書道のじょうずな先生が、右手なくなったんだから、わたし、もう、すごく同情しちゃった。
「どうしたんですか、先生」ったら、「切った」って言うの。
 交通事故なら、新聞に出ますからね。「函館で一番の書道の先生、命より大事な右手を失う」って。なんも出てこないとこ見ると、そうじゃない。ではいったいなんだろう?
「どうしたんですか」「いや、坂東君ね、ここにできものできたんだよ」って言われる。函館の病院に行ったら、癌だって言われた。嘘だ、あのでこぼこ医者になにがわかる、と思って今度は北大に行った。そしたら、百パーセント癌。今すぐ切るって。そうとう根張ってるからね。肺に転移すると、早いって……、ハイ、ハイ、ハイって、こうくる。なにしろ肺だものね。(笑)それで、転移してたらもう助からない。ほんとはね、こっから切ればいいんです。ここをこう(と先生、胴を切る仕草)切れば、みんなとれるってさあ。命もとられちゃうけど。(笑)そしてこの首の付け根からね、肩の骨からなんからみんな切っちゃった。やあー、明日手術だって前の日、もう一生懸命筆をふるって書いたって。
 麻酔からさめてみたら、ないんですと。もう僕はね、右手失うのは……命よりも右手が大事だってね。ほんとうにね、男泣きに泣いちゃったって。左手じゃあ書けないもんですと。左手で書くっていえば、もう支えがなくなって、とっても書けないって。それで「坂東先生ね、一億円なんていうお金はないけども、もし一億円あったら、僕、右手買いたい」って先生の言葉を聞いた時に、わたしのスイッチがこっち(右側)へ入ったの。(笑)
 わたしは自分の右手、とんでもない悪い右手だなんて思ったこともないけど、ありがたいとも思ってみなかった。その校長先生が右手、一億円出しても欲しいって心から言われた時、あたし、「おっ、おれもここに一億円持ってるんだ」って、パッチンとスイッチが入ったの。ハッ、そういえば、二本で一億、二億……。(笑)
 誰、一億もらって、自分の手売りますか、奥さん。目玉売りますか。目売って一億もらったって、家内も子どもの顔も見らんなかったら、どうします。誰が売るかっていうんですよ。奥さん、一億、二億、三億……つまり五体満足で五億……胃袋を、子宮を売りますか。奥さん、うちの家内、子どもできねえから、子宮、大至急売りますなんて、(笑)誰、売るってね。五体、内臓全部で一億、二億、三億、四億、五億、六億、七億、八億、九億……(笑)売りますか、それを。一億、二億っていうふうに分けてね。もう人間の体は何十億でしょうが。ねえ、奥さん、わたしたち一人一人は何十億円ものビルディング持って歩いてるようなもんです。
(『坂東先生の教育講座』P.32-34)

(過保護について)
 では、過保護っていうのは何かっていうとね、三つの間違いをやればこれが過保護なんですね。一つは、子どもは自分でやる気のものなんです……発達って、やる気のもんですから、それを無視しちゃうことですね。
 それから二っつ目はね、年齢の無視っていいましてね、何歳になったら何ができる、これ……これ、わたし、函館でちょっと調べてみたんですが、百人ずつ、各年齢ごとに百人ずつのお子さんを調べたんです。三歳のお子さん、三歳半のお子さんって。そしたら、コップから水飲むことができるっていうのは、も、早ーい期間でできちゃうんです。ねえ?助けてもらわないでコップから水飲むっていうのは、もうすぐにできちゃうんです。それから、スプーンが使えるっていうのも、早あくにできるんですね。それをね、いつーっまでもお母さんがやってやるっていうのは、年齢を無視したやり方。ね、つまり、お子さん、よーく見て自分でやれそうだなって思ったら、ほっとけばいいんですよ。
 もう一つの過保護は今の反対、能力の無視っていいましてね、できないことやらせるのも実は過保護なんですよ。宿題ば、どっさり出す先生、いるでしょ。子ども、困っちゃう。ぜんっぜんできるはずない。で、うちへ帰って、「おかーちゃん、助けてえ、助けてえ」って。だから母さんも、「いやー、だんだん難しくなる」なんて(笑)今度、先生に会ったら、もっとやさしくしてもらわなきゃ困ります!」なんてね。
 そいで「母さん、まだできないかい」なんつって……
 でーきないことやらせるのはねえ、これも一種の過保護なんですね。
(『続 坂東先生の教育講座』P.29-31)
内容としてはごくアタリマエのことですが、改めて指摘されると考え込んでしまいます。今、こういった内容をこれだけの話芸をもって伝えられる教育者を私は寡聞にして知りません。

この時代の親はワイドショーを見ながら「親としての心得」が学べたのです。

『教育講座』は番組の反響があまりに大きかった事を受けて作られ、300部プレゼントの募集に10万通以上の応募があったそうです。

ところが、その反響の大きさを伝えた回が坂東先生最後の講義となってしまいます。
(昭和五十三年十一月十三日、東京、テレビ朝日でこの講義を終え、講演旅行におもむかれた先生は、二日後の十五日、長野県明科町での講演を終え、松本の駅へ車で向われた。が、その車中で先生は帰らぬ人となられた。十一月二十日放送される予定の「どう躾けるか」の講義は、ついに放送されることなく終わってしまった)
(『続 坂東先生の教育講座』P.113)
まだ51歳の若さでした。

それから四半世紀の時は流れ、坂東先生の存在はほとんど忘れ去られています。
今回調べたところ、とある学習塾の先生が『教育講座』の一部をテキスト化されていました。
http://www.spicycandy.net/juku/bandou/kosodate_01.html

テレビ朝日から許可をもらっているそうです。エライですね。もう少し読んでみたい方はこちらへどうぞ。

坂東先生についての本は、私が見つけた限りでは以下のものがあります。
(★が多いほど入手困難)
『坂東先生の教育講座』(テレビ朝日)
入手難易度:☆☆☆☆★
BOOKOFF価格:105円~
『続 坂東先生の教育講座』(テレビ朝日)
入手難易度:☆☆☆★★
BOOKOFF価格:105円~
『続続 坂東先生の教育講座 幼児篇』(テレビ朝日)
入手難易度:☆☆★★★
BOOKOFF価格:105円~
『坂東先生の教育知恵袋1』(テレビ朝日)
入手難易度:★★★★★
BOOKOFF価格:?
『坂東先生のテレビ寺子屋』(サンケイ出版)
入手難易度:☆★★★★
BOOKOFF価格:105円~
『坂東先生の母子心理教室』(太陽出版)
入手難易度:★★★★★
BOOKOFF価格:?

『教育講座』と『続・教育講座』はBOOKOFFをマメに探せば105円コーナーで見つかります。缶ジュース1本ケチってでも小さいお子さんを持つ親御さんに読んでもらいたいものです。
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by haruhico | 2004-08-01 06:02 | 栄光なき名作たち | Trackback | Comments(2)
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Commented by tukasa_suzukaze at 2005-09-24 08:09
最近では見られなくなって
昭和の厳しくも優しい風が感じられた気がします
BOOKOFFで探す本が増えてしまいました(笑

>栄光なき名作たち
栄光なき天才たちも大好きです♪
一番のお気に入りは
サルチェ・ペイジがマウンドで
「砂漠の風だ…」と独白するシーンです
Commented by haruhico at 2005-10-11 00:48
>tukasa_suzukazeさん
こんな古い記事を見つけてくださってありがとうございます。
書いた当初全然反応がなくって悲しかったです。
教育講座はブックオフのだいたい3軒に2軒はおいてます。

>「栄光なき天才たち」
私も大好きで、「新」と併せて全巻持ってます。

第2回以降のネタはあるんですが、長文を書く余裕がなくて。
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