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雖然知道但無法停止
by haruhico
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【物欲戦隊ルサンチマン】 第27回 4126はお風呂の番号(後編)
前編はこちら

バスを降りてトートバック一つ持って歩き出す。実はあらかじめ伊東市の古本屋をリサーチ済みなのであった。といっても1軒しかタウンページで見つからず、そのお店自体、伊東の隣の南伊東駅から徒歩4分のところにある。

しかし、電車が1時間に1~2本しか無いので、全く役に立たない。かといってタクシーを大盤振る舞いして何も収穫がなかったら目も当てられない。行こうか行くまいか相当悩んでいたのだった。

それとは別にサンハトヤへ向かうバスの中からチラッと古本屋らしい看板が見えた。ハトヤから駅まではほとんど一本道なので道順は憶えているし、丘の上なのでどこからでも見える。歩いて帰っても道に迷うことはあるまい。

ハトヤを出てすぐに問題の古本屋はあったし、リサーチ済みの店もtalby君に拠ればハトヤから十数分程度の感じだ。

まだ夕食まで時間があるのでテクテク歩いていくことにする。町中ハトヤの看板だらけだ。
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「平成の大合併」直後なので案内板も急ごしらえ。
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途中ローソンに寄って「競馬研究」を探したが置いていない。温泉場なのにギャンブル情報がないのかよっ!
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商店街の一角に問題の伊豆書房(青い看板の店)はある。

外の棚に神保町ならプレミア価格が付く写真集が無造作に置かれている。値段を見ると定価の1/3程度。ハッキリ言ってあり得ない数字。ずっと欲しかったのだが、あまりにベラボーな(定価の3~4倍)プレミアが付いてしまって二の足を踏んでいたのだが、まさかこんな所で見つけるとは。

ところが店に灯りがついているもののガラス戸が開かない(爆)。しかも店の中は隣の洋品店と繋がっている。ホントに古本屋をやってるのかしら?

おあずけを喰った形だが、とりあえず次の目的地へ急ぐ。どうせハトヤに帰る途中にちょっと足を伸ばせばいいし、まさか今まで売れなかったものが急に売れたりしないだろう。念のため、別の本の陰に隠しておいたが(爆)。

ハトヤへの入り口を過ぎてなおもズンズン進む。時折talby君で現在位置を確認しながら進むがなかなか見つからない。そうこうしている内に「南伊東駅入口」の案内が見えてきた。南伊東駅よりは手前のはずなので通過してしまったらしい。

引き返して路地ごとに覗き込むが分からない。仕方がないので実際に路地に入ってみる。

2本目の路地でようやく「岩本書店」を発見する。日はやや傾きかけてきた。
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まず外の均一棚に目を通す。古めの文庫本がポツポツ見つかる。

クロフツ「海の秘密」(創元推理文庫)30円
クロフツ「樽」(角川文庫)30円
鮎川哲也「積木の塔」(青樹社文庫)100円
鮎川哲也「葬送行進曲」(集英社文庫)100円
王貞治「回想」(ケイブンシャ文庫)100円
渡部昇一「教養の伝統について」(講談社学術文庫)100円
都筑道夫「血みどろ砂絵」(角川文庫)100円
日影丈吉「真っ赤な子犬」(徳間文庫)100円
泡坂妻夫「11枚のとらんぷ」(角川文庫)100円

今年生誕100周年のカークロフツといった、いわゆる古典に属するミステリが意外と絶版になっているので手頃な値段で出ていたら拾うことにしている。角川文庫の「樽」は訳者が田村隆一。クロフツが読みづらいのは翻訳にも責任がありそうなので敢えて創元版以外で読んでみたかった。実際、訳者自身の解説でこう語っている。
 『樽』を4ヶ月がかりで訳了してみて、私はつくづくこの作品に感嘆した。正直なところ、『樽』はおろか、クロフツの作品を、私は生まれて初めて読んだのである。私の喰わず嫌いには自分ながらほとほとあきれた次第である。(中略)このクロフツおじさんのポートレートがいけなかった。コツコツと貯蓄する才はあっても、小説は下手くそみたいな感じなのである。しかし、『クロフツは小説が下手くそだ』などという風評は、まっ赤ないつわりである。第一、小説が下手くそで、アリバイ崩しのトリックに、かくもあざやかに成功できるものであろうか?小説が下手くそだったら、この大作を、読者は一気に読みとおすわけにはいかないのだ。少なくとも私は一気に読み通した。(後略)
あまり同じ小説を違う訳者で読み比べるなんて底意地の悪いことはしたくないが、こう書かれては是非とも比較したくなる。

鮎川先生の文庫はほとんど揃っているのだが、まあ100円なら。青樹社文庫自体レアなのでコレも押さえておく。

王さんの「回想」は道徳の教科書にも採用された文章だが今ではほとんど見かけない。

均一棚だけでこれだけ引けたのだから、店に入ったら・・・と期待したのだが全くの期待ハズレ。引けたのは

岡田鯱彦「岡田鯱彦名作選」(河出文庫)400円

一冊だけ。というか微妙な値段だが、何もないのも癪なので買った。モチロン持ってないけど。

だんだん外が暗くなってきたので伊豆書房へ急ぐ。これでダメなら明日の朝だが、朝が早い古本屋なんて聞いたことがない(爆)ので期待薄か。店に戻ると入口のガラス戸は開いた。とりあえず棚から欲しい本を抜いて店に入る。

店内にも本はあるのだが、古本なんだか新本なんだか分からない微妙な品揃え。外の棚が凄かっただけにそのギャップに驚く。さらに店に入ったもののお店の人はいない(爆)。不用心だな。万引きとかは怖くないのかしら。店の奥に向けて大声を出したらようやく店の人が出てきた。

こちらは予想以上の成果があり、併せて一本という感じか。夕食の時間が迫っているのでハトヤに急ぐが、急坂が歩き疲れている身に応える。温泉だけじゃなくてマッサージも必要かも、と本気で思う。

青息吐息で部屋までたどり着いたらすぐに夕食で荷物を置いて新館のシアターホールへ。バイキングを食べたくてハトヤに来たのだが、屋台が何台も出ていたりして料金の割に結構豪華。天ぷらやフライも揚げたてが食べられるので美味しい。

一皿目は写真に撮るのを忘れて食べてしまった(苦笑)ので二皿目から。
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寿司のクオリティも回転寿司よりは上。もう一皿ほど食べたはずだが写真が残っていない。
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デザートはケーキに和菓子に胡麻団子にマンゴープリンに葡萄。さすがにコレだけ食べればお腹一杯。

部屋で少しくつろいでから大浴場へ。硫黄臭のある温泉はダメなので、ハトヤのようなアルカリ性単純温泉なら心おきなく浸かっていられる。風呂場で思い切り脚が伸ばせるのが温泉最大の醍醐味だ。

風呂から出て温泉のお約束であるゲームコーナーを覗くと見慣れぬものがあった。
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中を開けると全身マッサージ器が設置されている。モチロン有料。
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セガとファミリーの共同開発らしい。5分間100円なのでまず100円硬貨を入れて試してみる。結構やかましい音楽と共にマッサージが始まる。肩から腰から脚まで揉みほぐされるのだが、5分という設定が中途半端。
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上のハイテクコースにチャレンジするもくつろいでいる最中に時間切れ。結局20分くらい揉まれていた。

部屋に戻って、ほんのチョットPCを立ち上げて原稿書き。すぐに眠くなったので、iPodの充電をセットして寝る。


翌朝目が覚めると、部屋が広すぎてアチコチ大暴れしたため浴衣が明後日の方向に飛んでいた。

朝食もまたまたバイキング。カメラを持ってくるのを忘れたので写真はナシ。和食と洋食のチャンポンでガッツリ食べる。

早めにチェックアウトして伊東駅まで送迎バスで行く。
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ハトヤから遠く初島を望む。絶景である。

駅周辺で土産物屋をひやかす。
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物"置"ではない(笑)。結局仕事場へのお土産は「鰻味のプリッツ」になる。

電車の時間までまだ1時間以上あるので桜を見に行くことにする。タクシーの運転手曰く、伊豆高原までタクシーで往復しても見る時間がないので、市内の大川沿いの桜並木がいいとのこと。

昨日近所を一度歩いているので大体の見当は付く。
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振り返るとハトヤが見えた。

ちょうど桜が満開である。
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桜並木を端から端まで20分ほど散策する。桜並木の終端が河口付近なのでそのまま海に出る。港で遊覧船の客引きがいたが時間がないので無視。

なにやら謎のブロンズ像があったので近づくと「日本初洋式帆船建造の地」というモニュメントだった。
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幕末の話かと思ったら、碑文を読むと江戸初期に三浦按針がこの地で作らせたという。

そのまま国道沿いを歩く。バンバン自動車が走っているのに外に干物が干してある。
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産地直送とか天日干しをむやみに有り難がるのも考えものだ。

しばらく行くと「伊東駅入り口」の案内があり、左折すると伊東駅が見えた。左手にあるセブンイレブンでようやく「競馬研究」を発見した。コレで一安心。

そろそろ電車の時刻なので、お茶を買って伊東駅へ。小田原を過ぎたあたりで記憶がなくなった。真っ直ぐ帰って、競馬の録画予約を入れて、そのままバタンキュー。一泊二日はやはりあわただしい。結局日曜日は何もできなかった。
by haruhico | 2007-04-24 02:07 | 物欲戦隊ルサンチマン
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